マネーフォワード クラウド会計のAPI:外部のプログラムから、会計ソフトのデータを読み書きするための仕組み。とMCP:AIツールが、外部のサービスを直接操作するための共通の仕組み。サーバーで、2026年9月24日からAPIキーによる認証が使えるようになりました。これまでの認証はOAuth:ブラウザでログインして連携を許可すると、アプリにデータを読み書きする権限が渡る仕組み。だけで、ブラウザでログインして連携を許可する手順が必要でした。
私はAPIで仕訳を登録する仕組みを自分で作って使っていますが、まだAPIキーには切り替えていません。この記事は、2026年10月時点の公式のお知らせ、サポートページ、開発者サイトの情報だけをもとにしています。まとめたのは、OAuthとの違い、権限の決まり方、発行の流れと注意点です。
対象はAPIのすべての機能とMCPサーバー。OAuthもそのまま使える
APIキーで認証できるのは、クラウド会計APIのすべての機能と、クラウド会計MCPサーバーです。OAuthもこれまでどおり使えるので、今つないでいる仕組みを切り替える必要はありません。
APIキーは、マネーフォワード クラウドの「アプリポータル」にある「APIキー管理」画面で発行します。発行したキーを自作のスクリプトやClaude Code:Anthropic が提供するAIツール。指示すると、ファイルの読み取りやプログラムの実行などの作業を代わりに行う。に渡せば、ブラウザでの操作なしにAPIを呼び出せます。
OAuthとAPIキーの違い
2つの方式の違いを、公式の情報から抜き出しました。
| OAuth | APIキー | |
|---|---|---|
| 始めるときの操作 | アプリを登録し、ブラウザでログインして連携を許可する | アプリポータルでキーを発行する |
| 操作できる範囲 | アプリポータルで付けた権限 | 発行した人の、クラウド会計のメンバー権限 |
| 対象の事業者 | 連携を許可した事業者 | 発行時に選んだ事業者(複数も可) |
| Claude Desktop・Claude WebのMCP | 使える | 使えない(お知らせの時点) |
※2026年10月時点の公式サポートページと開発者サイトの記載から作成しました。
OAuthと比べたAPIキーのメリット
始めるまでの手順が少ない
OAuthでは、まずアプリポータルにアプリを登録します。そのうえで、ブラウザでマネーフォワードにログインし、事業者を選んで連携を許可します。
APIキーには、この承認の手順がありません。アプリポータルでキーを発行すれば、そのまま使えます。開発者サイトのチュートリアルは、キーの発行からAPIの呼び出しまでの所要時間を約30分としています。
AIにできることが、発行した人の権限より広がらない
OAuthでは、アプリポータルで権限を付けたユーザーなら、クラウド会計側の権限にかかわらずAPIを操作できます。APIキーでは、発行した人がクラウド会計で持つ権限が、そのまま上限です。「メンバーの追加・管理」画面で、機能ごとに設定しているメンバー権限のことです。足りない操作をすると、APIはエラーを返します。
閲覧の権限しか持たない人が発行したキーなら、AIが仕訳を登録したり消したりすることはできません。試算表を読ませるだけのキーは、閲覧の権限で発行できます。仕訳の登録を任せるなら、その作業に必要な権限を持つ人が発行します。
権限が足りないときは、事業者のオーナーに変えてもらいます。メンバー権限を変えられるのは、オーナーだけです。
人がいなくても動かせる
OAuthでは、最初にブラウザで連携を許可する人が必要です。APIキーなら、キーを渡しておくだけで、プログラムが認証からAPIの呼び出しまでを進めます。
開発者サイトは、APIキーが向いている使い方として、AIエージェントや自動化スクリプトのほか、「ユーザー操作を介さずバックエンドから」APIを実行する場合を挙げています。決まった時間に動かす処理や、ブラウザのないサーバーで動かす処理です。Google Apps Scriptと組み合わせる例は、このあとの節にまとめました。
1つのキーで、複数の事業者を操作できる
APIキーには、1つの事業者向けと、複数の事業者向けの2種類があります。複数向けは「APIキー管理」画面の「複数事業者」タブで発行し、そのときに使える事業者を選びます。選んだ事業者は、発行したあとでも変えられます。
複数の会社の経理を担当している場合、APIキーなら1つで済みます。APIを呼び出すたびに、どの事業者を操作するかを指定する仕組みです。
公式のサポートページは、必要な事業者だけでキーを有効にするよう求めています。キーが漏れたときや、操作を誤ったときの影響を小さくするためです。
APIキーを発行する流れ
詳しい手順は、「APIキー管理」画面の使い方にあります。ここでは流れだけを書きます。
- アプリポータルにログインし、事業者を選ぶ
- メニューの「APIキー」を開き、「新規登録」を押す
- APIキーの名前を入れ、利用するサービスで「事業者情報」と「クラウド会計・確定申告」を選ぶ
- 複数の事業者で使うキーは、「複数事業者」タブから登録し、使う事業者を選ぶ
- 利用規約に同意して登録し、表示されたキーを保管する
キーが表示されるのは、このときだけです。なくしたら、新しく発行し直します。
自作のスクリプトからは、キーを1時間有効なトークンに交換してからAPIを呼びます。手順とサンプルは、開発者サイトのAPIキーのチュートリアルにあります。
Claude CodeはMCPの設定で使える。Claude DesktopとClaude Webは未対応
Claude Codeでは、MCPサーバーの設定にキーを渡します。接続先は、公式のサポートページが推奨しているBeta版のURLです。
"mcpServers": {
"mfc_ca": {
"type": "http",
"url": "https://beta.mcp.developers.biz.moneyforward.com/mcp/ca/v3",
"headers": {
"Mf-API-Key": "${MF_API_KEY}"
}
}
}
サポートページの例では、Mf-API-Key にキーをそのまま書いています。Claude Codeの設定では ${MF_API_KEY} のように書くと、環境変数からキーを読み込めます。設定ファイルにキーそのものを残さずに済みます。
お知らせの時点では、Claude DesktopとClaude WebはAPIキーに対応していません。どちらかで使う場合は、これまでどおりOAuthで接続します。
Google Apps Scriptと組み合わせて、決まった時間に動かす
Google Apps Script:Googleのスプレッドシートやメールを、自分で書いたプログラムで動かせる仕組み。Googleアカウントがあれば無料で使える。は、Googleスプレッドシートから使えるプログラムの仕組みです。時間主導型のトリガーを設定すると、毎日、毎週、月に1回など、決めた間隔でプログラムが動きます。APIキーと組み合わせれば、PCを開いていない時間にも、会計データをスプレッドシートに集められます。
マネーフォワードの開発者サイトにも、APIキーとGoogle Apps Scriptでスプレッドシートにつなぐ実装ガイドがあります。ガイドの例はボタンを押して動かす形なので、決まった時間に動かすには、トリガーを自分で設定します。
会社での活用法の例
APIの仕様書にある機能の範囲で、会社として使いやすい組み合わせを挙げます。私はまだ作っていないので、組み立てる前の案として読んでください。
| 動かすタイミング | APIで取得するデータ | 会社での活用法 |
|---|---|---|
| 毎月の決まった日 | 推移表の損益計算書(月次) | 社長や部門の責任者と共有するシートに、月ごとの損益が入る。会計ソフトのメンバーを増やさずに、数字を共有できる |
| 毎週 | 前の週の日付の仕訳 | 摘要が空の仕訳や、書類のファイルが添付されていない仕訳を一覧にする。月末を待たずに直せるので、月次の締めが早くなる |
| 毎月の初め | 取引先の一覧 | インボイスの登録番号が入っていない取引先を一覧にする。請求書を受け取る担当者とシートを共有して、番号を補ってもらう |
| 月に1回 | 複数の事業者の残高試算表 | グループ会社の数字を1つのシートに並べ、経営会議の資料のもとにする |
※推移表と残高試算表は、APIでは全部門の合計で返ります。部門別の数字は取れません(2026年10月時点の仕様書)。トリガーの実行時刻は、指定した時刻から1時間ほどの幅で前後します。
複数の事業者のデータを集める場合は、複数事業者向けのキーを1つ用意すれば足ります。事業者ごとにキーを分ける必要はありません。
会計の数字を入れたシートは、見てよい人だけに共有します。マネーフォワードのメンバー権限で絞っていても、シートを共有された人には数字が見えます。
キーはスクリプトプロパティに置き、読むだけなら閲覧の権限で
開発者サイトの実装ガイドは、APIキーをコードに書かず、Google Apps Scriptの「スクリプトプロパティ」に保存するよう案内しています。APIから受け取ったトークンをセルに残すと、シートを見られる人に漏れるおそれがある、という注意もあります。
データを読むだけの処理なら、キーの権限も閲覧だけで足ります。閲覧の権限だけを持つメンバーを用意して、そのメンバーがキーを発行する形です。プログラムが誤って動いても、仕訳が書き換わることはありません。追加できるメンバーの人数は、契約しているプランによって決まっています。
APIキーとOAuth、どちらを使うか
APIキーが向いているのは、自分のPCやサーバー、Google Apps Scriptで動かすスクリプトと、Claude Codeから会計データを扱う場合です。複数の会社の経理を担当しているなら、1つのキーにまとめられます。
OAuthのままでよいのは、Claude DesktopやClaude Webから使っている場合です。
マネーフォワードは、APIの技術的な問い合わせを原則として受け付けていません。つなぎ方で詰まったときは、開発者サイトのチュートリアルと仕様書で調べます。
クラウド会計を利用していれば、APIは追加の料金なしで使えます。まだマネーフォワードを使っていない場合は、マネーフォワード クラウド会計の無料トライアル
で、自分の作業に合うかを確かめてから決めるのが確実です。
おわりに
APIキーで変わるのは、つなぎ始める手間と、権限の決まり方です。権限がクラウド会計のメンバー権限に揃うので、AIに任せる範囲を、人に任せる範囲と同じ画面で管理できます。
APIで仕訳を登録している仕組みの中身は、Claude Codeとマネーフォワードの記事にまとめています。乗り換えを検討している場合は、無料トライアルで確かめておくことの記事も参考にしてください。